きりきりしゃんと!

小説家、榎木洋子の日記。仕事に関するもの、 そうでないもの。
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C94に配布したペーパーです

2018年の夏コミで配布したペーパーになります。

載せる載せる詐欺してましたがそんな日々もきょうでおしまいだー。

 

  *PC環境のかた
   配ったペーパーそのままで
  (A4で三段組みで裏表)
   臨場感味わいたい方は下の画像から。
おもて
c94ペーパー表
うら
c94ペーパー裏

ここから

それは長い長いペーパーの内容

―――――――――――

近況報告です
サークル「ドラコルナ」 主催 榎木洋子

新刊をお届けできなかったので近況報告ペーパーです。
いまおもってること「告白」です。

最近何してるかというと、まったりしてます。
面白そうな映画見たり脱出ケームにいったり専門学校の小説家コースの講師したり。
そして聞いて聞いて。エッセイ書きました。八月末発売の文藝別冊 KAWADE夢ムック「氷室冴子」です。
本の詳細。
河出書房新社 ムック A5 ● 224ページ
ISBN:978-4-309-97953-3 ● Cコード:9495
発売日:2018.08.28(予定)価格1400円(予定)


出版社のhpに目次も公開されているので見に行ってみて下さい。内容が濃い。感涙ものです。
ツイッターでも書きましたが、エッセイ書く間、ずーっと氷室先生の小説世界に浸かっていられたのね。夢のような時間でした。銀金も大好きなんだけど、心の奥底のだいじな大事な本は「シンデレラ迷宮」なの。その思いをぶちまけてあります。

今の私に、文章ちゃんと書けるかな? と怖さもあったけど、お話しいただいて、震えるほど嬉しくて誇らしくて、トライしました。読んだら拳をあげつつ叫んで下さい(読んだら分かるなぞかけ)。


ブログ「きりきりしゃんと」を読んでるかたは知ってると思うけど、いま心の配線の具合で、小説書くのが難しい私です。映像作品を見ることは平気なんだけど、小説を読みたくてもタイミング間違えるとすぐしんどくなっちゃって、浮き沈みプカプカしてます。
いま思えば小説読むのってかなり能動的な力がいるのですね。文字を読んで、想像して、書かれていることと書かれていないことを頭に再構築して世界を作ってくかんじ。


だから小説を読んでる皆さんはとっても高い能力を持っているんですよ! 私の書いた小説が皆さんの心とコラボして思い出になる時間を作ったのかと思うと、しみじみ誇らしいわけです。うれしいなー。ふふふ。

実はこの文章、コミケ前日の夜八時にファミレスで書いているのだけど(今週頭から風邪ひいてて、それがけっこー辛くて、準備なにもできなくて)、風邪薬のせいかもう眠い(笑) 目がシパシパしてきちゃった。で眠気ざましにツイッター見るのと書くのを交互にしてたら、となりのテーブルのお客が二交代ぐらいしていた。長居しすぎちゃった。そろそろ帰ってコミケの準備しないと。
うーん、あと書くことはないかなあ。


“今後の抱負”
横のテーブルから声が聞こえた。よく通る男の人の声でめっちゃ美声。本気で美声。

その声が「今後の抱負」と呟いたわけ。チラ見すると本を読んでる。で、本を持つ手がまたしっかりした手で指は長くて形がいいわけですよ。なんか楽器とか持ったら似合いそうな感じの。そのうえ持ってる本がまた立派で。革を使った装幀に見えるけど何の紙だろう、特殊印刷ででこぼこしてるのかな。タイトルは英語のような印象だったけど装飾された日本語だ。だって私が読めるもん。若き王とそれを支えし人々にまつわる物語。ドラゴンの絵もついてる。でも中身は真っ白で……?


あ、あかん。これ目を合わせちゃいけないヤツでは。


“この本は二月の時点で、八月に存在する可能性を秘めた本でしたが、どうしてでしょうね。めくってめくっても真っ白なんですよ”
美声の主が言う。こっちのテーブルに身を乗りだして本をむけて。竪琴の描かれたしおりがはらりとこぼれ、こっちのテーブルに乗ってくる。……しおりかと思ったら名刺だった。ご丁寧に伝承者兼吟遊詩人と書いてある。ぶっちゃけすぎじゃないですかこれ。というか、なんかわたし怒られてる? それっておかしくない?
“は?”
相手が思い切り眉根をよせて言った。三白眼になりかけてる。え、待って待って、こんな顔するんでしたっけ?
“だったら笑顔で言い直しましょうか”
即答された。うんうん、こんな人だった。うん。春の花が一面に咲いたようなって笑顔って書いた気がしたけど、あれ見せる相手厳選してましたね。高校生王子とその周辺とかですよね。
“半年に一度の特別な大祭に参加をきめたとき、申し込み書に書きましたよね? いまもだれもが自由に見られますよね。こみけうぇぶかたろぐで。あれ以来、こちら側のだれもかれもが落ち着きなく過ごしていたというのに。私たちにどんな思い出が増えるのだろうかと『ワクテカ』していたというのに”


フ――って、やたら大げさで長いため息までつく。あああ、胸の中でムクムクと大きくなるこの罪悪感。すみませーん、この人ヤダー。他の人いませんかー。
“は?”
二度目の“は?”がやって来て、かれは本の白紙のページに器用に絵を描きだした。長い杖と、それを持つ黒い髪の……うわヤバ。もっとヒドイ。お願いします、やめてください。すると次は三日月の痣のある手を描きだしちゃったんですけど!当然やめていただきましたけど!
……おかしいな。なぜかしら。気持ちの優しい人、いっぱい書いたはずなのに。頬を濡らすこの涙はなにかしら。
ただ、まあ。かれらに『新しい思い出』を与えることが出来るのは私だけ。それはまあほんとだね。


って、遠くを見つめてるうちにとなりのテーブルはまた無人になった。んん? ひょっとしてずっと無人だったかな。
夜も更けたし。私もお家に帰ろう。

 

今後の抱負。こっそりと考えてること。


Webコバルトで、コバルトクラシックとして文庫未収録の「バード」が掲載されて、ほんとはそのまま三話目を書く予定だったのに、書けなかった。懺悔。だけどこれは書かなくちゃいけない。三部作として書いたものだから。
同人誌として出した「竜使いの少女」もラスト近くで砦の奥方でてきたら、あら、これ続き書いたら楽しいんじゃ? 自分の大好きな系統の話になるんじゃ? と思ったし。ルルル文庫で書いてて未完のヴェルアンの書も、気になってるし。なによりあの子の話書きたいんだよなー(主人公に非ず)。

 

そしてもちろん大人になったシェイラ。彼女の運命も見据えたい。彼女に限っては、旅する姿を追いかけてちまちま書き付ける専属記者のようなイメージ。だって最後にどこで過ごすかは私もみんなも知ってるけど、それまでにどう歩んで、黒髪の魔法使いの命をどう見守ったか、まだまだ知らないんですもん。ミズベの守護龍の話も。守護龍になる前の、なんだか高飛車クソ生意気なレンダルクもおもしろそうだし。(そんなイメージイラストをむかし由羅カイリさんが描いてくれましてね!)

 

そんなこんなで、プカプカ浮き沈みしながら、小さな島から大きな島へゆっくり進んでいきます。
本日は暑い中、スペースにお寄りいただいてありがとうございました。私の小説が年若い頃のあなたたちに力を与えたとしたら、いま私もあなたたちから力を与えてもらっています。どうかよい日々をこれからも過ごしてください。

火龍月、夢かうつつかまぼろしか、ってな宵に。


コミックマーケット94。ペーパー。
2018.08.11
ドラコルナ

Twitter https://twitter.com/youko_e
pixiv https://www.pixiv.net/member.php?id=3202813

――――――――――――――――――
おしまい。
コミケ・同人誌 | comments(2) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

はじめまして。バードもヴェルアンの書もとても好きで読んでおりました。
もし続きが読めましたらとても嬉しいです。
ただそのために無理はなさらぬようどうぞご自愛下さい。
突然のメッセージ失礼致しました。
ナギ | 2018/10/08 9:45 PM
ナギさんへ
ありがとうございます。
(&#9593;&#9697;&#9593;)
ヴェルアンを知っていて、覚えていてくださって「うっれしい!!」です。
ヴェルアンは時々とても鮮明に私の心に浮上してくる作品で、虎視眈々と再会の機会を伺っていきます。
榎木洋子 | 2018/10/13 10:24 PM
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